はじめまして私はドラックストアの薬剤師をしているショウコと申します。
ドラックストアの薬剤師は、お客さんと接する機会が多くいろいろな質問を受けます。その中でもよく聞くのが腰痛の薬の質問です。
腰痛の原因や症状によっては、市販薬で治すことはできるのですが、中には一生治らない場合や手術でないと治らないものもあります。
お客さんの中には、間違った情報を信じてしまったり、間違った知識を持っている方も多いです。
間違った対処法を行う事で軽度の腰痛が慢性的な腰痛になってしまうことだってあるのです。
私がよく質問されることを元に、腰痛の薬について正しい知識を持ってほしいと思いこのページを作りました。
皆さんの参考になれば幸いです。
腰痛を改善したい時に服用する薬の探し方
腰痛市販薬の目的は、一時的に痛みを取り除く鎮痛剤と腰痛の改善を促す医薬品に分かれます。
一時的な痛みを取り除く鎮痛剤は、ロキソニンSまたはラックル速溶錠が即効性が高く早く腰の痛みを取り除ける薬だといえます。
ただし、根治治療ではありません
腰痛改善を促す医薬品の主な目的は、3つあります。
- 1つ目は、栄養の補給。
- 2つ目は、血流・新陳代謝の促進。
- 3つ目は、痛みの緩和。
この3つになります。
一般的にいう腰痛症は、血行不良や筋肉のコリが原因だとされています。
そのためほとんどの商品には、栄養補補給として「フルスルチアミン」血流の促進に「ビタミンE」痛みの緩和に「ガンマーオリザノール」が配合されています。
腰痛市販薬のほとんどは、主成分がほぼ同じで、配合量とその他の成分配合で違いがあるだけだといえます。
腰痛に効果が期待できる主成分が同じなため、ここだけの話ですが試すのならネットで初回安く手に入る腰痛の薬で試すのお得といえます。
ドラックストアや楽天・Amazonで安く手に入れるのにも15%offくらいが限界ですが、通販限定商品は初回50%offになっているものもあり大変お得です。
下記に通販で人気の、腰痛や関節痛に飲んで効く医薬品を紹介しますね。
今から買える、腰痛市販薬(通販限定)
リョウシンJV錠
ツライ痛みに、飲んで効く!
リョウシンJV錠は、関節痛・神経痛の人が足りない栄養の補給をし、血流の促進により幹部への栄養の運搬を促し回復を目的としています。
また、幹部が回復するまでの痛みを痛み緩和成分で和らげます。
初回1,900円で購入できることを考えると、1ヶ月試してみたいと考えている方にとっては大変お得ですね。
ラークセブン
7つの医薬品有効成分が体の内側から働きかける。
小さく飲みやすい錠剤、代謝を促し筋肉・神経の機能を正常に保ち、血流改善や神経痛・慢性的なコリの緩和に期待できる医薬品です。
フルスルチアミン・シアノコバラミン・ガンマーオリザノールの主成分は他の商品と変わりませんが、その他成分が他の商品と比べ少ないのが特徴。その分価格が抑えられています。
値段で長期継続が難しいと考えている人にはぴったりの商品です。
初回1,490円で定期コースに申込むことができます。
グルコンEX錠プラス
腰がつらい。長続きする痛みに
グルコンEX錠プラスはシリーズ累計480万個売れている医薬品です。
痛みの原因に内側から効く4大有効成分を配合。
効果や副作用など、疑問点はコールセンターの薬剤師さんに電話で相談できるので、安心です。
薬は副作用が心配という方は、腰痛改善に期待できるサプリメント
薬は鎮痛剤が入っているのでできるだけ飲みたくないという人もいると思います。
薬を使いたくないけど、腰痛を改善したい人にはタマゴサミン。
タマゴサミン
グルコサミンが物足りなかった方へ
このタマゴサミンは主成分にN-アセチルグルコサミン(関節のクッション成分の材料)を配合し、iHA(アイハ)は関節のクッション成分を応援する成分を配合しているサプリメントです。
定期初回限定、1袋あたり1,847円で、2ヶ月分たっぷりお試し出来ますよ。
結局、結局腰痛の飲み薬はどれがいいの?と迷ったら
値段も大事!腰痛市販薬を試したい人は、リョウシンJV錠。
薬は人それぞれあうあわないがありますので、とりあえず試してみたい人はできるだけ安く品質がいい商品がいいですよね。
リョウシンJV錠は一般の腰痛市販薬と主成分が変わらず、初回限定1900円(税抜)で購入できるため、お試しにはいい商品だといえます。
腰痛に効く市販薬の種類について
年齢問わず、日々腰痛に悩まされているという方は多いと思います。中には、「辛いけど病院に行く時間や余裕がない」、「急性的な腰痛を今すぐ何とかしたい」といった方もいるかもしれませんね。
そんな方たちのために、「薬局で気軽に購入できる腰痛に効く薬」を紹介します。「飲み薬」、「貼り薬」、「塗り薬」にそれぞれ分けて紹介していきます。
薬局で買える「飲み薬」
- 慢性的な痛みには「コリホグス」
- 急性的な痛みには「ロキソニン」
- 痛み全般に効く「イブA錠EX」
- 機能性の高い「ラックル速溶錠」
慢性的な痛みには「コリホグス」
「コリホグス」は、一般的に肩こりをほぐす薬として知られていますが、固まった筋肉を緩める作用があるので、腰の痛みを和らげる効果もあります。痛みを緩和させる「エテンザミド」と、筋肉を緩める「クロルゾキサゾン」が主な成分となっています。長期スパンで腰痛を緩和させていくことができる上、痛みへの即効性も高いです。
コリホグスが他の飲み薬よりも優れているポイントがもう一つあります。それは、「比較的胃に優しい薬」であるということ。腰痛や肩こりを治す薬の副作用として、腸内環境を乱すといったことがあげられますが、中でもコリホグスはそういった副作用のリスクも少ないのでおすすめです。

急性的な痛みには「ロキソニン」
体のあらゆる痛みを和らげる効果のある「ロキソニン」。とくに、急性的な痛み、ぎっくり腰等の強い痛みに効果的です。ロキソプロフェンという有効成分が痛みを和らげてくれるのですが、効果が出るまでに服用から3~40分時間が掛かります。また、胃痛を起こしたり、腸内が荒れるといった副作用のリスクもあるので過度の服用はおすすめしません。

痛み全般に効く「イブA錠EX」
体のあらゆる痛みに効果のあるイブA錠EX。頭痛薬といったイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、もちろん腰痛にも効きます。ですが、一時的に痛みを和らげることしかできないので、長期の服用には向いていません。
機能性の高い「ラックル速溶錠」
鎮痛効果、解熱効果のあるアセトアミノフェンが配合されている「ラックル速溶錠」。他の飲み薬とは大きく異なるのが、水なしで飲めるというところ。また、口の中で溶けるので胃にも優しく、眠気を促すような成分も含まれていないので、運転中でも気軽に服用できるというのがポイントです。
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コリホグス |
ロキソニンS |
イブA錠EX |
ラックル速溶錠 |
平均価格 |
1,000円 |
650円 |
600円 |
950円 |
錠数 |
16 |
12 |
20 |
24錠 |
メーカー |
小林製薬 |
第一三共ヘルスケア |
エスエス製薬 |
日本臓器製薬 |
用法 |
疼痛時または発作時に服用 |
症状があらわれた時、なるべく空腹時をさけて服用。服用間隔は4時間以上おいて |
1日2回を限度とし、なるべく空腹時をさけて服用。服用間隔は6時間以上おいて |
1回1錠、1日3回を限度とし、なるべく空腹時をさけて、かみくだくか、軽く口中で溶かした後、水と一緒に服用。服用間隔は4時間以上 |
容量 |
大人(15才以上)/1~2錠 /2回まで |
大人(15才以上)/1錠 /2回まで |
大人(15才以上)/2錠 /2回まで |
大人(15才以上)/1錠 /3回まで |
即効性 |
△ |
◎ |
△ |
〇 |
薬局で買える「貼り薬」
- ハリックス55EX温感
- サロンパスAe
- ボルタレンEXテープ
ハリックス55EX温感
消炎鎮痛成分として、グリチルレチン酸とサリチル酸グリコールが配合されている温感湿布。痛い部分に貼ると、じんわり熱が浸透してとても気持ちが良いです。熱を帯びた状態のぎっくり腰等の急性的な痛みには不向きですが、慢性的な疲労感のある痛みには効果的です。湿布なのにはがれにくいというのもポイントです。
サロンパスAe
急性的な腰痛時に強い味方となってくれるサロンパスAe。ビタミンEによって血行を促し、サリチル酸メチルによって炎症を抑えます。また、メントールが配合されているので、スーっと爽快感があり気持ちが良いです。効果の持続性も高くおすすめです。
ボルタレンEXテープ
有効成分ジクロフェナクナトリウムが配合されたテープ型の湿布。とにかく効果の持続性が高く、一度貼ると一日中保温効果が続きます。また、肌と同じような色なので、真っ白の湿布と違って目立ちにくいというのも嬉しいですね。パップタイプの湿布だとすぐに剥がれてしまったり、肌が炎症してしまうという方にもおすすめです。
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ハリックス55EX |
サロンパスAe |
ボルタレンEXテープ |
平均価格 |
600円 |
500円 |
1,200円 |
枚数 |
10 |
20 |
14 |
メーカー |
ライオン |
久光製薬 |
グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社 |
用法・用量 |
患部に1日1~2回貼付してください。 |
1日数回患部に貼付してください。 |
1日1回1~2枚を患部に貼ってください。 |
即効性 |
△ |
△ |
〇 |
薬局で買える「塗り薬」
- バンテリンコーワゲルLT
- ニューアンメルツヨコヨコA
- タイガーバーム
バンテリンコーワゲルLT
インドメタシンという鎮痛薬を配合したバンテリンコーワゲルLT。とにかく痛みを緩和させる効果が高いんですが、それだけに刺激が強く、皮膚の弱い方や敏感肌の方は肌トラブルを起こしてしまうことがあります。ですので、一度少量使用してみて様子をみてください。激しく痛むときにカンフル剤のような感覚で使用するというのが良いかと思います。
ニューアンメルツヨコヨコA
血行を促す有効成分ノナン酸バニリルアミドと、消炎、鎮痛作用のあるサリチル酸メチルを配合した塗り薬。一度塗ると半日~一日ほど効果が持続します。ただし、たくさんつけすぎたり、汗をかくと肌が赤くなったりヒリヒリすることがあるので気を付けてください。つける際に手が汚れないように容器が工夫されているというのも特徴です。
タイガーバーム
日本人の肌に合うように作られたユーカリ油やハッカを含む軟膏。アジア各国で使用されており、マッサージクリームとしても用いられます。痛みのある箇所に刷り込むように塗るととてもスッキリします。原材料が天然成分ということで、敏感肌の方にはとくにおすすめです。
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バンテリンコワーゲルLT |
ニューアンメルツヨコヨコA |
タイガーバーム |
平均価格 |
900円 |
700円 |
1,000円 |
容量 |
35g |
80ml |
30g |
メーカー |
興和 |
小林製薬 |
ハウ・パー・コーポレーション |
用法・容量 |
1日4回を限度として適量を患部に塗擦してください。 |
1日数回患部に適量を塗布してください |
1日数回,適量を患部に塗布又は塗擦するように使用してください。 |
即効性 |
△ |
△ |
△ |
腰痛に効く漢方
腰痛だけれども薬にはできるだけ頼りたくない。
鎮痛剤ではなく改善に向けた薬がいいと思い漢方がいいと考える人も多いです。
腰痛に効く漢方薬を消化します。
ぎっくり腰
漢方では、ぎっくり腰は急激に体を動かしたときに、筋肉の緊張やねじれにより、血流が悪くなることが原因だとされています。そのため、腰周りの血流促進の漢方薬を使います。
その代表的なのが次の2つです。
- 疎経活血湯(そけいかっけつとう)
- 芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)
冷えによる腰痛
仕事での疲労、体調の悪化で血流が悪くなり体が冷えることが原因だとされています。そのため、血流の促進体を温めることによって改善を期待します。
そのための代表的な漢方薬が次の3つです。
- 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅっかんとう)
- 桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)
- 真武湯(しんぶとう)
腎機能の低下による腰痛
老化や虚弱体質による腎機能の低下が原因だとされています。症状としては、疲れた時に症状がさらに悪くなるのが特徴です。慢性的な腰痛の原因として多いといえます。
- 八味丸(はちみがん)
- 六味丸(ろくみがん)
ドロドロ血による腰痛
仕事などのストレスで、自律神経が乱れドロドロの血流が原因とされています。自律神経を整え痛みを軽減することが期待されます。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 血府逐オ湯(けっぷちくおとう)
最後に 自分の症状に合った薬を選ぼう
ドラッグストアで購入できる腰痛に効果的なおすすめの薬を一通り紹介しました。最後に、薬局で薬を購入する際は、この2点に注意しましょう。
- 自分の症状を再確認する
- 自分の症状に合った薬を選ぶ
市販の薬を購入する際は、自分の症状に合った薬を選ぶということがポイントとなります。たとえば、急性的な痛みで熱を帯びている状態なのに温感湿布を購入したり、慢性的な痛みを抱えているのにパップタイプの湿布を使用したりすると、長い目で見たときにかえってダメージを与えてしまうなんてこともあります。

病院処方と市販薬の違い
ドラッグストア等にある市販の腰痛薬と、病院で処方される薬にはどんな違いがあるのかよく聞かれます?「ロキソニン」等市販、病院とまったく同じ名前の薬も存在しますが、それぞれ効果に違いがあるのでしょうか?
病院の薬と市販薬の違い
病院で処方される薬と、市販されている薬とでは、もちろん効能が違います。例えば、「ロキソニン」を例でお話していきます。まず、主成分がロキソプロフェンナトリウムであることや、含有されている添加物等に大きな違いはありません。
ですが、効能はまるで違います。まず病院で処方される薬の場合、腰痛症、関節リウマチ、肩関節周囲炎、変形性関節症、急性上気道炎の鎮痛、解熱等といった腰痛をはじめとするあらゆる症状を改善する効果があります。ですが、鎮痛効果があるとはいえ頭痛には効果がありません。
一方で市販されているロキソニンは、頭痛をはじめとする腰痛、歯痛、生理痛、神経痛、関節痛、肩こり通などといった体のありとあらゆる箇所の痛みに効果があります。他にも発熱時の解熱効果や、悪寒改善効果もあります。
市販薬は、誰にでも入手することができますが、医師に処方された薬は処方された人しか入手できないように薬事法で定められています。
どちらの薬の方が優れている?
それから、市販の薬は一貫して一時的な痛みに作用するという性質があります。一方で病院で処方される薬は、症状そのものにアプローチするといったイメージですね。
かといって、痛みに強い=市販の薬、症状に強い=病院の薬という訳ではなく、もちろん病院の薬にも鎮痛薬が含まれています。以上のことから、やはり病院で処方してもらう薬の方が効能に優れているということになります。
市販薬は誰が使用しても副作用が起こりにくい範囲での、薬品を使用しています。しかし、病院処方の場合は医師の判断で薬の使用者が副作用が出ないように最大限の効果が期待できる分量の薬品を使用します。

病院の薬と市販薬の価格差
では、コストの比較をしてみましょう。値段に関してもこれだけの差があります。
- 薬局で買えるロキソニン1錠あたり…約55円
- 病院で処方されるロキソニン1錠あたり…約17円
なんとなく、「市販薬の方が高いんだろうなあ」とイメージはされたかもしれません。

それぞれのメリットデメリット
病院の薬、市販薬それぞれにメリットデメリットがあるので、比較してみましょう。
- 病院の薬のメリットデメリット
- 市販の薬のメリットデメリット
- 病院を受診するのが一番?
病院の薬のメリットデメリット
病院薬のメリットはなんといってもコストを最小限に抑えられて、尚且つ一定期間服用し続けることで症状そのものを緩和させることができるということ。デメリットとしては、診察を受けて処方箋をもらうまでの手間がかかってしまうというところでしょうか。
市販の薬のメリットデメリット
一方で市販薬のメリットは、やはり手軽に購入することができるということですね。病院へ行く時間がない、余裕がないといったシチュエーションでも、気軽に近所のドラッグストアに行けば手に入れることができます。ただし、第一類医薬品を購入する際、薬剤師が不在の場合は購入することができません。この点だけ注意しておいてください。
病院を受診するのが一番?
鎮痛効果に関しては、それぞれ大差ありません。どちらも用法用量を守って服用すれば一定の効果が得られます。ただし、先ほどもお話したとおり症状そのものを改善したいのであれば、できるだけ早く病院へ診察を受けに行ってください。
その場しのぎで市販薬を使用し続けることで、より症状が悪化してしまいどんどん痛みが酷くなるということもあります。

病院で処方される薬
では、病院ではどんな薬が処方されるのでしょうか?症状を緩和させる薬として、ロキソニン以外にもこんな薬があります。
- 神経障害性疼痛治療薬
- プロスタグランジンE1製剤
- オピオイド
神経障害性疼痛治療薬
名前を見てわかる通り、神経障害性疼痛治療薬は神経の痛みを改善する薬です。腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア等といった主に神経のダメージが原因となって起こる症状を緩和させます。
「プレガバリン」というのがその代表的な薬品で、神経の過度の働きを抑制し、痺れ、痛みを取り除くのですが、効果が高い反面副作用のリスクも高く、特に高齢者の場合めまいや眠気、ふらつき等と言った症状を発症するケースがあります。

プロスタグランジンE1製剤
プロスタグランジンE1製剤は血液の循環を正常にする働きのある薬品です。特に後天性の腰部脊柱管狭窄症に作用し、痺れや痛みを改善します。こちらも副作用を伴う場合があり、主に吐き気、下痢、ほてり等といった症状が挙げられます。
オピオイド
脳や脊髄といった「中枢」の痛みを和らげるオピオイド。鎮痛作用が高いことと、副作用のリスクが高いことで知られています。あらゆる薬を使用したにも関わらず、痛みが緩和されたないというシチュエーションにおいて、最終手段として登場するのがこのオピオイドです。
副作用の症状としては、上記二つの薬品の副作用として見られる症状に加えて、便秘、依存性、呼吸の抑制といったものがあります。
最後に 用途に応じて使い分けよう
市販の薬と病院で処方される薬のメリットデメリット、病院で処方される薬の種類についてご紹介しました。症状そのものを改善したいなら「病院のお薬」、とにかく今すぐ痛みを和らげたい!という場合は「市販薬」といったように、用途に応じてそれぞれの薬を使い分けてください。
ちなみに、病院でもNSAIDsやアセトアミノフェン等といった鎮痛薬のみを処方してもらうことは可能です。時間、余裕のある場合は病院を受診されるとより確実に症状を断定できますし間違いありません。
腰痛の種類について
ひとえに腰痛と言っても、急性的なものであったり、慢性的なものであったり、心の病からくるものであったり、いろんな種類の症状があります。また、これらは皆対処法も異なります。マッサージをすることで緩和されるものもあれば、かえってダメージを与えてしまうケースもあります。
そこで今回は、腰痛の種類とそれぞれの適切な対処法、治療法についてご紹介します。
慢性的な腰痛
腰痛患者の85%がこの「慢性腰痛」と言われています。毎日デスクワークをしていたり、立ち仕事をしていたり、長時間同じ姿勢で生活されている方に多く見られる症状です。原因は様々で、必ずしも腰そのものが悪いというわけではなく、腹膜や股関節といった腰とは一見関係が無いように思える箇所が原因となり痛みを発症していることもあります。
マッサージや電気治療はNG?
この慢性的な腰痛は、残念ながら電気治療をしたり、マッサージを受けたところで完治するものではありません。とはいえ、このまま放っておくと悪化する一方で、より重度の腰の病を発症してしまうケースもあります。ですので、まずは病院を受診して、原因を突き止めてください。

病気による腰痛
慢性的な腰痛とは異なり、「病名」がつく腰痛をまとめて特異的腰痛といいます。代表的なものでいうと、こんな病気があげられます。
- 変形性脊椎症
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 腰部変性すべり症
- ぎっくり腰
では、それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。
変形性脊椎症(へんけいせいようついしょう)
変形性腰椎症は、簡単に言うと加齢によって脊髄が老化し、腰痛を引き起こす症状です。年齢を重ねていくごとに、背骨が少しずつ変形していくのですが、これを変形性腰椎症と呼びます。基本的に痺れがメインの症状となりますが、痛みがひどい場合は入浴で温めたり、患部に温湿布を貼ったりすると痛みが緩和されます。
椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)
背骨や腰にかかる負荷を最小限に抑えるクッションのような役割を担っている椎間板ですが、この椎間板の中にある髄核や繊維輪の一部が突出することで神経の痛みを発症させる病気です。強い痛みとともに、痺れも発症します。こちらは、飛び出た髄核を切除する必要があるため、手術治療となります。
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
神経の圧迫が原因で痛みやしびれを引き起こす脊柱管狭窄症。脊柱は体を支えるために、椎骨という骨が折り重なっています。この椎骨内にある小さな隙間のことを椎孔(ついこう)と呼びます。この椎孔が重なって管状になっている部分を脊柱管といいます。
この脊柱管周辺の骨が分厚くなったり、形を変えることで脊柱管の幅が少しずつ狭くなっていき、これが結果的に神経を圧迫し痛みを発症します。また、腰だけではなく足まで痺れを起こすこともある症状です。
脊柱管狭窄症の治療法は、主に薬事療法、リハビリテーションがメインとなります。ですが、歩けないほどの激痛を発生している場合は手術が必要になります。
腰部変性すべり症(ようついへんせいすべりしょう)
その名の通り、椎体がなんらかの原因でずれることで痛みを発症する症状です。具体的な症状は、体を動かすたびに腰や大腿部が痺れたり痛む、前かがみになった場合のみ痛むといった2パターンあります。
何れのケースも、コルセットによるブロック治療、薬事療法で完治することが多いです。その他マッサージ法や温熱療法、電気療法等の治療もあります。基本的にはこれらの治療で完治する病気ですが、改善の兆しが見られない場合のみ手術による治療が必要となります。
ぎっくり腰
ぎっくり腰は、何らかの原因で上半身を強く捻ったり、重たい荷物を運んだりすることで、急性的に痛みを伴う病気です。一般的には一定期間安静にしておくことで症状が緩和されることが多いですが、日常生活に支障が出るほどの痛みが緩和されないという場合は、コルセットを着用したり、軽度のストレッチをする等の治療が必要となります。とにかく安静にしておくことが重要です。くれぐれもぎっくり腰にリハビリとしての運動は向きません。

内蔵疾患による腰痛
「腰を痛めるようなことをした心当たりがないのに腰痛になった」という方の中には、内臓疾患が原因で腰痛になっているケースがあります。こうなると、ただ単に腰痛という病名で片づけることができないような大事になってしまっている可能性もあります。
特に肝臓の疾患によって腰痛を起こしているケースが多いです。内臓疾患の場合、腰痛以外にも吐き気や腹痛、発熱などといった他の症状も発生しているケースが多いので、それらの症状に心当たりのある方は、すぐに病院を受診してください。
心因性の腰痛
「毎日仕事でストレスを抱えている」「イライラする」「子育てのノイローゼになっている」「精神が不安定」。こういった心理要因からくる腰痛もあります。ある調査では、うつ病患者の実に50%以上が腰痛を抱えているというデータも出ています。心因性の腰痛の疑いがある場合は、整形外科ではなく心理内科を受診されることをおすすめします。精神面のケアを施すことによって嘘のように症状が改善されるということもあります。
まとめ まずは病院を受診しましょう
腰痛の種類と、それぞれの対処法、治療法についてまとめました。何れの症状においても、まずは医師にしっかり診てもらうことが大切です。くれぐれも、自身の判断だけで激しい運動をしたり、マッサージに通ったりということは避けてください。

薬を飲んでも治らない腰痛
腰痛の中には、薬物療法で完治するものもあれば、薬では治せないものもあります。では、薬で治せない腰痛にはどういったものがあるのでしょうか。また、それらの対処法、治療法についてもご紹介します。
腰椎椎間板ヘルニア
薬で完治することが難しい腰痛の代表格として「腰椎椎間板ヘルニア」があげられます。はじめのうちは痛み止めを使用した保存治療をほどこすこともありますが、痛みや症状が改善されない場合が多く、そういった場合は「ラブ法」という手術によって治療することになります。
髄核を取り除く「ラブ法手術」
ラブ法とは、腰椎椎間板ヘルニアの原因ともいえる髄核(出っ張った部分)を切除する手術のことを指します。痛みの原因となる、神経を圧迫している髄核を取り除くということになります。
また、このラブ法には背中側から切開する方法と、お腹側から切開する方法の2パターンあります。ですが、お腹からの切開の場合、臓器を傷つけてしまうリスクがあるため近年ではほとんど行われることはなく、基本的には後ろ側から切開をするかたちとなります。
腰椎椎間板ヘルニア時の対処法
腰椎椎間板ヘルニアは、「一度発生すると癖になる」とよく言われています。なぜなら、生活習慣が原因で発症するケースが多いためです。例えば、普段猫背等の悪い姿勢で生活している人や、野球やゴルフ、テニスといった腰をよく使うスポーツを行っている方、重たい荷物を運ぶことが多い方などが腰椎椎間板ヘルニアを発症しやすい傾向にあります。
激しい神経の痛みを伴い、尚且つこういったことに心当たりのある方はぜひ一度病院を受診してください。

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
脊柱管狭窄症は、薬物療法で完治するケースが多いですが、場合によっては症状が緩和されないこともあります。そういった場合、「脊椎牽引療法」というものを実施します。これは、患部を専用器具で引っ張って伸ばすことで、形を矯正し完治させるという仕組みの治療法です。また、コルセットを着用することでじっくり時間をかけて矯正していくという方法もあります。
場合によっては手術することも?
これらの治療を施しても改善の兆しが見られない場合は、脊柱管を引き延ばす手術を受けることになります。脊柱管狭窄症をそのまま放置しておくと、やがて歩行障害や排便生涯等といった障害に発展してしまう恐れがあるので、できるだけ早期の手術が必要となります。
変形性腰椎症(へんけいせいようついしょう)
加齢による老化が原因で起こる腰痛「変形性腰椎症」。40代以上の方がこちらの症状を発症しやすいとされていますが、とくに「50代以降の男性」に多く見られます。主に、若いころに腰に負担のかかる職業を続けていたという方が、高齢になった際に発症することの多い腰痛です。
改善策はなし…?
この変形性腰椎症は、加齢による老化によって起こる症状なので、残念ながら完治させるということは難しいんです。慢性的な腰痛のように、これといった改善策がありません。強いて対処法を上げるとすれば、軽度のストレッチを行ったり、入浴することで患部の筋肉をほぐしておくといったことでしょうか。これらを行いうだけで痛みそのものは大きく緩和される場合があります。
じっとしていても逆効果?
当然ながら腰に負担のかかる動作は控える必要がありますが、その逆に同じ体勢で安静にしておくというのもよろしくありません。なぜなら、安静にしていると筋肉の組織が弱まってしまい、結果的に筋肉を硬直させてしまうためです。適度なストレッチを行うことで、筋肉の血流を良くしてあげることを心がけてください。

ストレスからくる腰痛
「そもそもストレスで腰痛になることがあるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、これら2つは大きな関係があります。社会的ストレスやプレッシャー、心の病が原因で腰痛になるということが実際にあり、うつ病患者のおよそ半数の人が腰痛を患っているというデータもあるほどです。
整形外科ではなく心理内科?
「毎日仕事が憂鬱で辛い…」「育児ノイローゼになっている…」「将来について明るい希望が持てない…」「対人関係に不安を抱えている」。こういった精神的ストレスの何れかに当てはまるという人は、整形外科ではなく一度心理内科に足を運んでみてください。精神的ケアを施すことで、投薬では完治できなかった腰痛が、いとも簡単に改善されるということもあります。
また、これらの精神的負担に加えて、外的要因も合わさって重度の腰痛になっているというケースも少なくありません。いずれの場合も自身で原因を突き止めることはどうしても難しいので、まずは一度病院を受診されることをおすすめします。
まとめ なるべく早期に病院を受診しよう
今回は、薬を飲んでも治らない腰痛について、症状、治療法をご紹介しました。飲み薬を服用したり、貼り薬や塗り薬等いろんなもの試したけど効果が無かった、もしくは、
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 変形性腰椎症
- ストレスからくる腰痛
これらの病気の症状や原因に思い当たるふしがあるという方は、できるだけ早期に病院を受診してください。それから医師の指示に従い、適切な治療を行っていきましょう。